2007年09月13日

親の愛

ある人の話。

息子さんが、高校を卒業したら映画関係の道に進みたいと言った。
父は、自分の夢は自分の力で叶えなさい、と答えた。

息子さんは、学費を稼ぐため卒業してから1年間、本土の組立工場の作業員の仕事をすることにした。
いわゆる季節労働だ。
来る日も来る日も寮と工場の往復だけ。

父は、生活するための最低限の食費だけを息子に仕送りし、
息子は稼いだお金をすべてを学費のために貯金した。

働くだけではない。
来年、希望の専門学校へ進むために受験勉強もしなければならない。
高校時代とはまったく違う生活だった。


正月休み、
久しぶりに里帰りした息子を空港まで向かえに行くと、
見慣れた息子の姿とは違っていた。
想像以上にやつれていたのだ。

父は、切なくなり息子をその場で抱きしめた。
自分が要求したことは、息子を苦しめているのではないかと後悔し涙があふれた。

しかし、息子は確実にたくましく成長していた。
かならずいつか父のように誇れる大人になると約束したのだ。



親の役割とは、何だろう。
子供の夢のために、一生懸命働き、
資金的に援助することももちろん必要なときもある。
でも、あえて手を出さず、
自分自身で生きていく強さを身につけさせるために、試練を与えることもまた愛情。
そのほうが難しいかもしれない。
親もグッとガマンするのだから。



父を尊敬し、そして自分の夢を追いかけている息子さんは
きっと素敵な大人になるだろうと確信した。

私もそんな親になりたい。


かずえ


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Posted by かずえ at 23:37│Comments(3)思うこと
この記事へのコメント
お久しぶりです。

今私はこのお話を、うちあたいしながら読んでいます。

私は高校卒業から一年おいて進学し挫折。そして病気。
進学した際の学費、そして病気の治療代全ては母からでした。
なのに私は、それらを当たり前の様に思っていました。
ただでさえ生活が苦しいのに…

前置きが長くなりました。
そんな私が思うのは、子供が大人になれば、自分の力で生かさないと、
親子ともに、互いに離れらず、足を引っ張りあう気がします。
私と母がそうですから…

このお話を読み、親を愛しているのならば、私自身の力で生きて行くと、私は改めて誓いました。

長文失礼します。
Posted by Fantasista-Zophy at 2007年09月14日 00:18
3人の子を持つ親になって、本当に親も悩んできたんだろうな、とおもうことが、多々あります。
長男が小学生になり、どこまで、手をだしていいのか、まだ1年生だからと思ったり、もう1年生なんだからしかっりしてほしいと思ったり。

子供は親の知らない間に毎日成長していきます。
その度に私は感動させられてきました。
この話のような親になりたいとおもいますが、
7歳、2歳、11ヶ月の子たちが成長する頃には、
私も親として成長できていればいいなとおもいます。
Posted by 理恵 at 2007年09月14日 12:51
Fantasista-Zophy さん

ありがとうございます。
私もうちあたいしている一人です。
当たり前に思うのは当然のことだと思います。
それに、病気ならば頼る必要があるのだし。
できるときに恩返しすればいいと思います。
私は、3年前に母を亡くし、何も恩返しできなかったことを
悔やんでいます。
その分父に、と思うのですがしょっちゅうけんかしてます(笑)
けんかできる相手がいることを幸せにも思います。


理恵さん

子供がいて初めて親になれる。
子供ってすばらしい存在ですよね。
3人の子宝に恵まれて幸せですね。
子供の存在があって、自分の親の偉大さもわかるし。
私もまだまだわかってないんだろうな~。
子供と一緒に成長したいですね。
あ、そのまえに・・・(笑)

かずえ
Posted by かずえ at 2007年09月14日 23:08
 
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